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思春期性歯肉炎(子どもの歯周病) adolescent-gingivitis

思春期性歯肉炎とは

思春期性歯肉炎というのは、名称の通り、思春期の子どもに見られる歯茎の炎症のことです。思春期は体が大人へと変化する時期でホルモンバランスが急激に変わるため、体のいろいろな部分に影響が出ます。歯茎もその一つです。例えば、歯磨きをしているときに歯茎が腫れたり出血したりすることがあります。これは、歯と歯茎の間にたまったプラーク(細菌の塊)が原因で歯茎が炎症を起こしているからなのですが、思春期は、ホルモンの変化が歯茎を敏感にし、炎症を引き起こしやすくするのが特徴です。
特に、女性は生理周期の影響で歯茎が敏感になりやすいです。また、この時期は生活習慣が乱れやすく、例えば夜更かしや不規則な食事が増えることで、口の中の環境が悪化しやすくなります。

思春期性歯肉炎が及ぼす影響

まず、歯茎が腫れて痛くなります。歯磨きや食事中に歯茎が痛むのはかなり不快ですよね。歯茎が赤く腫れている場合、触ると痛みを感じることが多いです。また、歯磨きをしているときに歯茎から出血することがあります。これが毎日のこととなると、歯磨きをするのが嫌になってしまい、ブラッシングが雑になったり、歯磨きをしなくなったりと、さらに口腔内の環境が悪化するという悪循環に陥ることがあります。
歯肉炎が進行して歯茎の炎症がひどくなると、やがて歯周炎になります。歯周炎になると、歯を支えている骨や組織が徐々に破壊されてしまい、最悪の場合、歯が抜けてしまうこともあります。これは、日本の成人が歯を失う原因の第一位ですね。

また、口の中が不健康だと全身の健康にも影響を与えることがあります。例えば、細菌が血流に乗って全身に広がることで、心臓や他の臓器に影響を与えることもあるのです。

その他に、エチケットの問題も無視できません。腫れた赤い歯茎は、笑ったときや話しているときに目立つことがありますし、不衛生なお口は口臭がきつくなります。これがコンプレックスになって、自信を持って笑えなくなったり、お友達とお喋りすることを遠ざけてしまったりとネガティブなことに繋がりかねません。思春期は自己イメージが形成される大切な時期ですから、こうした問題は心理的な影響も大きいです。
このように、思春期性歯肉炎は歯茎の健康だけでなく、全身の健康や精神面にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

予防するためには

予防するためには、毎日の歯磨きをしっかり行うことが大切です。正しい方法で歯と歯茎の境目を丁寧に磨きましょう。また、歯ブラシだけでは取り切れない歯と歯の間の汚れを、フロスや歯間ブラシを使って取り除くことも重要です。
さらに、定期的に歯医者さんでチェックしてもらうことで、早期発見と早期治療が可能になります。

また、糖分を控えめにし、バランスの取れた食生活を心がけることも大切です。
思春期性歯肉炎は、適切な口腔ケアと定期的な歯科検診によって予防や治療が可能です。
日常のケアをしっかり行い、健康な歯茎を保ち、楽しい学校生活を送っていただきたいと思います。